このページでは、聖書中の聞き慣れない語句や、キリスト教会で用いられる専門用語について、ごく簡単に説明しています。
あ
アーメン
ヘブライ語で「確かに」の意。祈りが真実であることを表すために祈祷の最後に唱えたり、ある聖句や他人の意見に同意するときなどに用いたりする。
イエスは特に重要な事柄を語るとき、注意喚起としてしばしばこの言葉を用いられた。その箇所を、新共同訳は「はっきり言っておく」、新改訳は「まことに、あなたがたに言います」などと訳している。
証し
クリスチャンによる証言。イエス・キリストを信じるようになった経緯や理由、また、信仰生活を送る中での神の恵みや計らいなどについて、実体験をもとに語ったもの。テスティモニーともいう。
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悪魔
神と人間の仲を引き裂く霊的存在。「中傷する者」「訴える者」を意味する、サタンの名前で呼ばれることもあり、人間をだましたり誘惑したりして神に反逆させる。
元は天使であったが、自ら神の位につこうと反乱を起こし、地上に投げ落とされた。ベリアルやベルゼブルなどのほか、地上の支配者という意味で「この世の神」という別名もある。
悪霊
悪魔の手下として暗躍する霊的存在の総称。実数は不明ながら大勢いるとされ、おもに罪に誘惑するなどして、人間を神から遠ざけようとする。
悪魔が神に反乱を起こしたとき、天使の3分の1がそれに加わり、彼らが堕天して悪霊となった。新約聖書では「
安息日
週の7日目のこと。金曜日の日没から土曜日の日没がそれにあたり、神に心を向けるための休日として定められた。〈天地創造〉で神が7日目に休息されたことに由来する。
この日の労働は厳しく禁じられ、特に新約時代には、麦の穂を摘む、かまどの火を起こす、一定以上の距離を歩く、といった行為さえも労働とする例があった。
イエス
ヘブライ語「ヨシュア」のギリシャ語訳で、「神は救い」の意。新約時代にはありふれた名前で、キリストは出身地を冠して「ナザレのイエス」と呼ばれた。
ラテン語で Jesus(イエズス)と訳され、「ジーザス」はその英語読みである。また、かつての日本では、中国語訳を借りた「
異言
話者本人の知らない言語で語られる、祈りや信仰告白の言葉。話者は自分がなにを言っているかわからないが、実在の言語で話すため、その言語の通じる聴者には理解できる。
キリストの弟子たちは初めて聖霊を授かったとき、さまざまな言語で福音を語り、多くの人々を信仰に導いた。異言を語る人々は現在もおり、その能力は賜物として与えられる。
か
割礼
男性器の包皮を切り取ること。神に選ばれたイスラエル民族の印として、生後8日目の男児に施すことが定められていた。現在もユダヤ教では、改宗者を含めて、これを受けることが原則とされている。
仮庵祭
ユダヤ教三大祭日のひとつ。イスラエル民族がエジプトからカナン(パレスチナ地方)までの道のりを、天幕で暮らしながら旅したことを記念する。第7の月の15日から7日間催される。
期間中は、木の枝や葉でつくった仮庵(仮設住居)で過ごした。現在も9月下旬~10月中旬ごろに祝われ、軒先に簡易の小屋が建てられたり、ベランダにテントが張られたりする。
教会学校
毎週日曜日に行われる子ども向けの教育活動。日曜学校またはCS(Church School の略)ともいい、年齢別・学年別に分級されることが多い。
子どもたちへの聖書教育と次世代への信仰の継承を目的として、絵本などを読み聞かせたり、讃美歌を歌ったりする。ほかにもスポーツ・料理・工作など、教会によって多種多様な取組みがなされている。
兄弟姉妹
クリスチャンが同じ信仰を持つ人のことを言う語。互いにこう呼び合うことで、同じ神を父とする、信仰上の家族としての敬意や親しみを表現する。
教会の発行する書面では、信徒名を年齢にかかわらず「○○
五旬祭
ユダヤ教三大祭日のひとつ。小麦の収穫を祝うものだが、のちにシナイ山におけるモーセへの律法授与を記念するようにもなった。七週祭または刈入れの祭りともいい、初穂の祭りから50日目に催される。
キリストの弟子たちは、キリスト昇天直後のこの日、初めて聖霊を授かった。現在も5月下旬~6月上旬ごろに祝われ、律法の朗読・学習などが行われる。
さ
再臨
キリストがふたたび天から降って来られること。普通、キリストが全世界の王として地上再臨されることを指す。また、クリスチャンを天国へ引き上げるため、空中再臨されることを言う場合もある。
キリストが再臨されると、地上にキリストを君主とする王国が築かれる。それを〈千年王国〉といい、労苦や戦争のない平和が地上全体に及び、すべての被造物がその恩恵にあずかる。
サドカイ派
ユダヤ教二大派閥のひとつ。祭司・貴族など、上流階級の人々によって構成された。〈モーセ五書〉のみを聖典として認め、霊・天使・復活の存在を否定した。
名称は、古代の大祭司・ツァドクの子孫を意味するという説と、ヘブライ語の「正しい」に由来するという説がある。新改訳は、この派閥に属する人々を「サドカイ
使徒
キリストに選ばれた12人の弟子たちのこと。十二使徒または十二弟子ともいい、キリスト教会の創始者となった。下記がそのメンバーである(「/」以下は別名)。
- ペトロ(ペテロ)/シモン
- アンデレ
- ヤコブ
- ヨハネ
- フィリポ(ピリポ)
- バルトロマイ/ナタナエル
- トマス
- マタイ/レビ
- アルファイの子・ヤコブ(アルパヨの子・ヤコブ)
- タダイ/ヤコブの子・ユダ
- 熱心党のシモン
- イスカリオテのユダ
イスカリオテのユダの死後、新たにマティア(マッティア)が加わった。また、12人には含まれていないが、パウロも使徒のひとりとして認められている。
十二部族
イスラエル民族を構成する12の氏族のこと。ユダヤ人はみな、アブラハムの孫でイサクの子であるヤコブの、12人の子を直接の先祖としている。下記がその氏族である。
- ルベン族
- シメオン族
- ユダ族
- ゼブルン族
- イサカル族(イッサカル族)
- ダン族
- ガド族
- アシェル族
- ナフタリ族
- エフライム族
- マナセ族
- ベニヤミン族
ヤコブの子のうち、祭司職を担ったレビ族(レビ
除酵祭
ユダヤ教の祭日のひとつ。イスラエル民族がエジプトを脱出したとき、パン生地を発酵させる時間もないほど急いでいたことを記念する。種なしパンの祭りともいい、
期間中は、パン種(発酵済みの生地)を入れずに焼いたパンを食べた。現在は過越祭として統合され、イースト菌を混ぜないクラッカー状のパンが焼かれるほか、すべての発酵食品が食されなくなる。
過越祭
ユダヤ教三大祭日のひとつ。イスラエル民族がエジプト人による迫害を逃れ、神によってエジプトの地から救い出されたことを記念する。第1の月の14日の夕方に催される。
名称は、エジプト全土の初子を絶命させた災いが、イスラエル人を過ぎ越したことに由来する。現在も3月末~4月中旬ごろに祝われ、特別な晩餐が食される。
聖餐式
プロテスタント教会の2つの聖礼典のひとつ。キリストの十字架上の死を記念・感謝するためのもので、キリストの体をパンに、血をワイン(ブドウジュースを代用する教会が多い)になぞらえて頂く。
〈最後の晩餐〉でキリストが弟子たちにお命じになった重要な儀式であり、カトリック教会のミサに相当する。たんに聖餐ともいい、主の晩餐と称されることもある。
聖霊
三位一体の神の第3位格で、神の霊のこと。イエス・キリストを信じるすべての人に宿り、聖書の言葉を理解できるように助けたり、感謝や
イエスの洗礼時に降って来られた様子から、ハトの姿で描かれることが多い。ただし、聖霊はそのような概念的・象徴的な存在ではなく、人格を持った実在の神である。
た
賜物
「神の恵み」を意味する、ギリシャ語「カリスマ」の訳。神から授かった物事の総称だが、特に個人の能力や才能を指すことが多い。
は
初穂の祭り
ユダヤ教の祭日のひとつ。大麦の収穫を祝うもので、のちにこの日から50日間、1オメル(約2.3ℓ)の大麦を神殿に捧げる風習ができた。
現在は過越祭期間中の安息日、または過越祭の2日目に「オメルを数えはじめる日」として記念され、
ファリサイ派
ユダヤ教二大派閥のひとつ。律法学者を多数擁した。行いによって宗教的清潔を保つことを強調し、「
律法を守らない人々との接触を忌避したことから、名称はヘブライ語「ペルシーム(分離する者)」に由来するという説がある。新改訳は、この派閥に属する人々を「パリサイ
福音
「よい知らせ」を意味する、ギリシャ語「ユーアンゲリオン」の訳。イエス・キリストを信じる者が罪から救われ、神との親交を回復して、永遠の命にあずかることを指す。
ペンテコステ
キリスト教三大祭日のひとつ。キリストの弟子たちが初めて聖霊を授かったことを記念する。聖霊降臨日ともいい、イースターから50日目に催される。
名称は「
ま
マナ
神が荒野を放浪するイスラエル人にお与えになった食べ物。コリアンダーの種に似て白く、蜜の入ったウエハースのような味がしたという。
名称は、これを見た人々が「マーン・フー(これはなんだろう)」と言い合ったことに由来する。新共同訳の新約聖書では、ギリシャ語訳に準じて「マンナ」と表記されている。